こんなことを書いてはいけないと思いますが、「能」のことを詳しく説明するとなると、歴史から何やら膨大なご説明になってしまうので、ポイントとしてこんなことを気にしながら観ると面白いかも…。
という点を喜多能楽堂からご紹介いたします。
様々なご意見もあると思いますが、ご参考にしていただければと思います。


普通の演劇は背景をパノラマ式にし場面を変えるときに使用したり、雨や雪を降らせたり、効果音をつけたり、演者の役作りに合わせて具合が悪そうであれば顔を青くしたり、様々な舞台の演出をしますが、「能」では最小限の小道具しか使用しません。その小道具と演者の動きで、観客は場面を想像し物語を追っていきます。
単に想像するといっても難しいので、観る前にあらすじを一読しておくと、より想像しやすいでしょうか。
あわせて、「能」の物語には「幽霊」が出てきます。そうです、「うらめしや〜」の世界です。そうなると人の『妄執』『恨み』が物語に絡んできますので、その『妄執』『恨み』のテーマを知ってから(あらすじ、解説本に書いてあったりします)観ると、ひと味ちがって観れるかも知れません。

「能」の楽器には、囃子といわれる「笛・小鼓・大鼓・太鼓」の4種類がございます。
基本的に「謡を囃しているもの」と考えて頂ければいいと思います。その中で必ず演能にあるものは笛・小鼓・大鼓です。
大鼓と小鼓は言語のみである謡にリズムを与え、抑揚をつけて生命感を出しています。特に大鼓は「リード」であり、小鼓はその「リード」に沿っていく感じです。
笛は、旋律楽器ではありますが、能に使用されるのは「能管」と言われるもので、息の強弱で音を表現し、旋律より言語を彩る意味合いが強い楽器になります。
「大鼓と小鼓は、謡に奥行きを与え、笛を彩りを与える」といった方が判り易いでしょうか。
また、太鼓は曲目によって出て来る楽器になります。一曲の中でも一番盛り上がりのある場面での華やかさ、賑やかさの演出のためにあります。鬼や神様ものの演目ですと、強さ、空間の情景描写、シテの心理などの表現のために使うようです。
以上のことはあくまでもシテ方喜多流からみた考えであり、囃子方の先生方からのご意見と違うところもあると思いますが、何卒御了承くださいませ。


これは「能面」「能装束」のことになります。
「能面」は「能」を演じる者にとっては、とても大切に扱われており「神聖なもの」といっても過言ではないものです。
この「能面」は、世界に仮面コレクターが居られるように「能面コレクター」となる人々の中ではたいへんに人気があるようです。
「能装束」も、安土・桃山時代から豪華絢爛で気品高い装束が作られ、江戸時代では染色技術の向上により舞台衣装として定着したようです。
装束の素材である織物は世界から見ても高級であり、「能装束」には摺箔、縫箔など様々ございます。
「能装束」の文様は、日本の伝統的文様を基に描かれておりますので、そういった点から観るのも面白いと思います。